2020 京王杯スプリングC・ヴィクトリアマイル レース回顧
レースラップ 12.4 - 11.5 - 11.3 - 11.5 - 10.9 - 10.9 - 11.3
雨の中行われた京王杯スプリングCを制したのは実績馬ダノンスマッシュ、好スタートからの逃げ切りを見事に決めました。
ダノンスマッシュはいつもの控える競馬を選択すると思いきや、好スタートからほかが行かないと見るやスッと先行。短距離戦としては異例のテンの遅さを読み切ったかのような先行策でした。上がりを10-11前半でまとめられては後続は手も足も出ないですね。もともとスプリントでも後傾寄りのレースを得意にしていた馬ですし、1400のスローはうってつけでした。まともに流れると1400は?という感じはしますが、選択の幅が広がる勝利でしたね。
2着ステルヴィオもテンの遅さに助けられたクチで、先行しての持続力を存分に活かすことができました。瞬間的なキレが足りない分いつも前目を取りたい馬ではありますが、テンのラップが上がる安田でそれが叶うかは微妙なところで、湿りがある方がいいかもしれません。3着グルーヴィットは絶好位からのキレ負けで、もう少し時計がかかる方がいい印象です。
レースラップ 12.0 - 10.9 - 11.3 - 11.4 - 11.1 - 11.2 - 11.1 - 11.6
雨上がりの高速馬場で行われたヴィクトリアマイルを制したのは、府中高速馬場の申し子アーモンドアイ。遠征帰りも何のその、好位から楽々抜け出し、能力に陰りがないことを見せつける競馬となりました。
好スタートを切ったアーモンドアイは外目の好位を楽に追走し、直線は少し仕掛けただけで後続をちぎる圧倒的な内容でした。追っていれば確実にレコード更新となる強烈な走りでしたね。府中では敵なしを改めて見せつける競馬で、よほど枠・馬場とマイナス要因がなければ、府中でこの馬が馬券圏内を外すことは考えづらいです。
2着サウンドキアラは勝馬以上に繊細なハンドリングで乗られた印象はありますが、大外枠からノームコアを凌ぎ切ったあたりは本当に力をつけている、と思わせる内容でした。時計が掛かった方がむしろいい馬でもありますし、状態を維持できれば秋のマイルCSでは面白い存在になるかと思います。
2020 京王杯スプリングC予想
◎ストーミーシー
◯レッドアンシェル
▲グルーヴィット
△ドーヴァー、セイウンコウセイ、タワーオブロンドン、ステルヴィオ、エントシャイデン
前走はハイペースを追い掛けすぎたストーミーシーだが、追い込み決着をしぶとく粘る強い内容。1400、道悪も問題なく、スロー濃厚の中、先行してから押し切りに期待。
2020 京都新聞杯・新潟大賞典・NHKマイルC レース回顧
レースラップ 12.4 - 10.3 - 11.8 - 11.9 - 11.9 - 12.5 - 12.7 - 12.0 - 12.5 - 11.7 - 12.0
ダービーへの最終切符を掛けた京都新聞杯は、皐月賞経由のディープボンドが直線しぶとく抜け出し、重賞初勝利を飾りました。
京都外回りらしからぬハイペースを先団でアドマイヤビルゴを見ながら進めたディープボンドは、終始インを通してロスなく追走、直線は併せ馬の形でしぶとく伸びての勝利でした。前走でキツい競馬をした経験値が生きたような渋い内容で、叩き上げの総合力の高さを見せましたね。ダービーではさらなる時計短縮が求められ、ローテ的にも厳しいものがありますが、勢いでどこまでやれるか、というところでしょうか。
2着マンオブスピリットは追走に苦労しながらもルーラーシップ産駒らしい息の長い末脚を使ってきました。ポジショニングに難がある馬だけにダービーは厳しいでしょうが、菊路線では楽しみになってくるかもしれません。圧倒的人気のアドマイヤビルゴはハイペースで横綱相撲を取りすぎた、というところでしょうが、ここは通過して欲しかったですね…。
レースラップ 12.4 - 11.0 - 11.7 - 12.1 - 12.5 - 12.0 - 11.5 - 11.2 - 11.4 - 12.8
混戦のハンデ重賞を制したのは伏兵トーセンスーリヤ、内からスルスルと抜け出しての勝利でした。
新潟らしい切れ味勝負というよりはタフな5ハロンロンスパとなったレースを、トーセンスーリヤはインでじっと我慢し、一切れでスッと抜け出してきたという感じでしょうか。もともと小回り、それもタフな馬場で実績のある馬で、資質とレース質がきれいに噛み合った結果、といえそうです。夏の2000シリーズでは、内枠を引ければかなりやれるのではないでしょうか。
2着アトミックフォースはスロー先行専用のイメージでしたが、自分で厳しい流れを作った競馬ですから、左回りなら力はかなりつけていると見て良さそうです。今後も同様の条件なら侮れなさそうですね。人気馬は総崩れとなりましたが、それぞれが距離、状態面、馬場適正と微妙にピントがズレての凡走といえそうです。
レースラップ 12.3 - 10.4 - 11.4 - 11.9 - 12.0 - 11.3 - 11.2 - 12.0
3歳マイルチャンピオンに輝いたのは伏兵ラウダシオン、好スタートから番手につけて押し切る横綱相撲を見せ、低評価を覆す快走となりました。
ラウダシオンはレシステンシアの逃げについていく形をとりましたが、レシステンシアの逃げは後続の脚を削ぐほどではなく、適度な平均ペース。その2番手のラウダシオンにとっては、お誂え向きの展開だったと言えるでしょう。直線は後半要素に劣るレシステンシアを楽に退け、悠々押し切って見せました。展開に恵まれたのは確かですが、総合力が高く崩れの少ない馬ですし、今後も父同様長く活躍してくれそうな一頭です。ハイペースのマイルでは一度崩れているので、先々は1400またはスプリントが適性になってくるでしょうか。
2着レシステンシアは調教も軽くさらに馬体減と状態は本物ではなかったでしょうが、やれることはやった、という結果でしょうか。性能的には一枚上だったことを見せた形で、古馬相手でもどこまでやれるか楽しみです。3着ギルデッドミラーは内の三列目からロスなく追い上げて来ましたが、できればもっと速いペースで引っ張ってほしかったでしょうか。こちらもキツいローテーションで頑張れていますし、今のところ1400ベストな感じはありますが、秋も楽しみです。