2020 阪神牝馬S・NZT・桜花賞 レース回顧
レースラップ 12.3 - 10.8 - 11.4 - 12.0 - 11.9 - 11.2 - 11.7 - 11.6
ヴィクトリアマイルの前哨戦を制したのはサウンドキアラ、内枠から器用に立ち回っての完勝でした。スタートを決めたサウンドキアラは道中インの絶好位、コーナー最速をうまくやり過ごして最後まで脚を残せたことが勝因ですね。連勝中はずっと噛み合った競馬ができており、超高速決着が予想されるヴィクトリアマイルではまた違った適性が必要とされますが、もしひと雨あるようなら好走が期待できそうです。
２着スカーレットカラーは慌てて外に出さず、直線にかける競馬でさすがの持続力を見せました。マイルのスピード勝負は多少短い気はしますが、ロスなくイン差しの形を取れれば能力的には十分通用すると思います。負けた組ではビーチサンバあたりが、血統的にヴィクトリアマイルでは狙い目となりそうです。馬個体としては、モッサリし過ぎている気がするのですが。
★NZT
レースラップ 12.3 - 10.9 - 11.0 - 11.7 - 11.7 - 11.7 - 11.9 - 11.8
中山マイルらしい総合スピード勝負を制したのは２連勝でコマを進めてきたルフトシュトローム、外からねじ伏せる強い競馬で３連勝を飾りました。中団からレースを進めたルフトシュトロームは追走に苦労することなくコーナーで位置を上げ、外に振られながらもジワジワと脚を伸ばし、スピードの持続力の高さを見せました。速い流れ・総合力勝負になりやすいマイルカップに繋がる競馬が出来ましたし、有力候補に躍り出たと言っていいのではないでしょうか。血統的に小回り向きなのが、本番でどう出るかは多少心配ですが。
２着シーズンズギフトは掛かりながらも馬の後ろで脚を溜め、ロス最小限で立ち回る噛み合った競馬ができていたように思います。どんどんテンションが上がっているので、そろそろお釣りが気になるところですね…。３着ウイングレイテストは４コーナーで弾かれながら伸びる良い内容でしたが、左回りのスピード勝負となると少し微妙な気がします。
★桜花賞
レースラップ 12.4 - 11.2 - 11.3 - 11.6 - 11.5 - 11.7 - 12.6 - 13.8
激しい雨の中のタフな競馬となった桜花賞はデアリングタクトが直線泥だらけになりながら差し切り、無敗の桜の女王に輝きました。
スマイルカナの逃げをじんわりレシステンシアが追いかける競馬は予想通りのハイペース、非常にタフな３歳牝馬には厳しい展開でした。デアリングタクトは早めに揉まれない外に出しコーナーでロスを作りながらの差し切りですから、この条件では素材が違ったのではないでしょうか。距離は問題ないでしょうが、高速馬場となるオークスはまた違う適性が求められますし、更なる成長を期待したいところです。
２着レシステンシアは注文通りのタフなペースを作りましたが、勝ち馬の根性が一枚上だったというところでしょうか。今後は適距離を走っていくことになるでしょうが、状態さえ大丈夫ならマイルカップは硬い存在になりそうです。
追走しすぎて失敗したマルターズディオサ、ハイペースに戸惑ったミヤマザクラ、クラヴァシュドールなど、オークスでの巻き返しを期待できる馬は多くいます。まずは激戦の疲れを取り、全馬無事に次のステージに進むことを願いたいものです。
