共同通信杯・京都記念・クイーンＣ レース回顧
★共同通信杯
ラップ：12.9 - 11.1 - 11.7 - 12.3 - 12.2 - 12.4 - 11.7 - 11.5 - 11.6
心配された雨の影響もなく良いコンディションで行われた共同通信杯は、スローの縦長の展開をロスなく立ち回ったオウケンムーンが鋭く抜け出し、３連勝でクラシック候補に躍り出ました。
オウケンムーンはこれまで小回りに実績が集中し、前走のレベルもイマイチと見て軽視しましたが、追走から直線の反応まで非常にスムーズでした。さすがトニービンの血ですね。人気馬の凡走にも助けられましたが、去年のスワーヴリチャードと近い内容で、ダービーでは面白い存在になってきそうです。小回り2000でも良績がありますが、今回はパフォーマンスを大きく上げているので、皐月ではどうかな、という印象です。
２着サトノソルタスは枠の利をしっかり生かしました。キレる血統ではないのでは、と思っていましたが、溜められればいい脚を使いますね。好走レンジが広い馬になっていきそうです。３着エイムアンドエンドは内枠先行の利、という感じでしょうか。
ゴーフォザサミットは出遅れからうまくリカバーしましたが、展開的に厳しかったですね。グレイルも負けるならこの負け方という感じの、外を回り続け脚を使わされる内容。小脚を生かしたいタイプなのかもしれません。アメリカンワールドは時計がかかる馬場巧者か。
★次走注目
ゴーフォザサミット
後方勢では唯一際どいところまで詰めました。掛かるところもなく、青葉賞あたりなら通用するでしょう。
★京都記念
ラップ：12.5 - 11.5 - 13.3 - 13.0 - 12.7 - 12.6 - 12.2 - 12.2 - 12.2 - 11.8 - 12.3
菊花賞2着以来のクリンチャーが直線しぶとく伸び、実績馬を退けて春に向け良いスタートを切りました。
クリンチャーは番手からの競馬となりましたが、早めにラップが上がる展開になったこと、そして馬場の重さも奏功し、持ち前のスタミナが生きた形です。ダッシュの遅さ、緩急への対応が不得手など沢山の弱点がある馬ですが、ツボにはまった時は本当に強いですね。今後もしっかり条件を見て取捨を考える必要がありそうです。春天目標という話ですが、スピード色が強い春天よりも、馬場が悪くよりスタミナが問われる宝塚の方が狙い目かと思います。
２着のアルアインは重い馬場も苦にしないオールラウンダーとして格好をつけました。皐月賞の好時計もありますし、大阪杯はより向いた条件になりそうで期待大ですね。
レイデオロは馬場は問題なかったと思いますが、スタートから息の合わない競馬で良く3着に残ったと見たいです。今後変な癖が残らないといいですが。モズカッチャンも差のないところまで来て、適性のあるところなら混合戦でも十分やれますね。
★次走注目
繰り返しになりますが、馬場が良ければ大阪杯の条件はベストに近いと思います。勝ち切るまでは…ですが、崩れはしないかと。人気になりにくいタイプで、馬券的妙味もありそうです。
★クイーンＣ
ラップ：12.6 - 11.0 - 11.0 - 11.4 - 11.8 - 12.0 - 11.5 - 12.4
ハイペースでレースを引っ張ったテトラドラクマがそのまま逃げ切り、不完全燃焼だった前走の雪辱を果たしました。
テトラドラクマはテン乗りの田辺騎手が馬の特徴をよく理解し、緩みを少なくして逃げたのが何よりの勝因です。持久力の高さは未勝利勝ちで見せている通りで、そこからもう一脚使えるのが素晴らしいところ。スローで実績を上げてきた馬が多い３歳戦では、このスタイルは大きな武器になります。今回は内伸び馬場の恩恵もあり、差し馬が強い桜花賞では去年のように一雨ないと…と思いますが、こういう馬がいるとレースが締まりますし、そういう意味でも楽しみな存在です。
２着フィニフティは完璧な立ち回りから直線外に出し、しぶとく伸びてきました。ハイペースでも簡単に末脚が鈍らないのは、兄ステファノス譲りですね。２戦目・輸送と考えると今後も上積みがありそうですし、脚質的には勝ち馬よりもこちらが桜花賞は有力かもしれません。
マウレアは正攻法で攻めましたが、ハイペース適性はあまりなかった、ということでしょうか。緩みやすいトライアルなら巻き返してくると思います。ツヅミモンにも同様のことが言えますが、こちらは時計面の壁もあったでしょうか。
★次走注目
ハトホル
人気薄ながら流れの違う重賞で２戦連続好走し、奥行きの深さを見せています。500万で意外と勝ちきれないという、このタイプにありがちなパターンかもしれませんが、初戦はスローの上がり勝負を勝ち切っていますし大崩れはしないでしょう。
